AEDの使い方
今日はAEDの使い方を説明するぞい
ヤギ先生、今日もよろしくお願いします!AEDの使い方、車の免許の講習の時にやったことある気がするんですけど、詳しく覚えてません!
そうかそうか。ではまず基本的な復習じゃ。
AEDは一般市民が簡単に電気ショックを行えるように作られた機器という事はしっておるよの?
一般市民でも簡単に使えるように、もっと言えば初めての人でも使えるように、AEDは出来るだけ簡単に操作できるように工夫して作られているのじゃ。
AEDを使った事があるひとや、講習を受けた事がある人でも、AEDはいつも使うものではないから使い方を完全に覚えている事は稀じゃ。そこで使い方を忘れていても使えるように工夫がされておる。
そうですよね!AEDは普段は使わないですし、私のように使い方の記憶が曖昧な人が殆どですよね!
その通りなんじゃ。
ではAEDの使い方がどのくらい簡単かというと、電源を入れれば、あとはAEDの音声ガイダンスに従うだけでOK、という簡単さなんじゃ。
電源を入れるとAEDから音声ガイダンスが流れるのじゃが、それに従って操作をしていけばよい。
電極パッドをはる場所だけは言葉では説明しづらいが、AED本体や電極パッドに図で書いてあるから、それを見ればすぐにわかるようになっておる。
親切に作られているんですね!
その通りなんじゃ。
電気ショックのボタンも点滅して光るなど、電気ショックのタイミングでは非常に目立つようになっている事が多い。どのボタンを押せばいいか間違えないような工夫がされておるのじゃ。
さらにものによっては目の見えない人でもわかるように、電気ショックボタンの触り心地を変えているという機種もある。それくらい、操作が分かりやすく理解できるように、拘って作られているのじゃ。
AEDを使う流れ
ここまでのところで、音声ガイダンスに従って行けばAEDが使える、という事はわかってくれたじゃろうと思う。
ただそんな事をいわれても、AEDを使うイメージは全然わいていないじゃろうから、AEDを使う手順について教えよう。
ありがとうございます!
手順は大まかに下の5ステップじゃ。
①電源を入れる
②電極パッドを傷病者の両胸に貼る
③AEDが心電図を解析し、電気ショックが必要かどうか判断する
④必要であれば電気ショックボタンを押す
⑤AEDの音声ガイダンスに従って、胸骨圧迫を行う
手順もとてもシンプルじゃろ?
確かに、電源を入れて電極パッドを貼って、電気ショックのボタンを押すだけですね。
手順も少ないし、音声ガイダンスで説明が入るなら誰でも簡単に使えそうです!
AEDの使い方の違い
このようにAEDの使い方はとても簡単じゃが、AEDを使うタイミングでは気が動転してしまっている事も考えられる。
そうなると普段なら引っかからない些細な所に引っかかってしまう可能性もある。そうならないように、ちょっとした注意点について説明をしておこう。
やっぱり、注意点もあるんですね。
大した事ではないのじゃが、機種によって操作が若干違っている部分があるんじゃ。電源の入れ方と、電極パッドの形状の2点じゃ。詳しくは下の説明を見てほしい。
違い①:電源の入れ方
AEDは、電源を入れて、音声ガイダンスに従っていれば正しく使用することができます。
ただしこの、一番はじめにある電源の入れ方には大きく2パターンありますので、イザという時焦らないように、2つのパターンを覚えておいて下さい。
一つは電源ボタンを押すもの、もう一つは蓋を開けるものです。
電源ボタンを押すもの
電源マークが書いてある電源ボタンが主にAEDの表面にあります。それを押して電源をいれます。むやみに電源が入らないように、少し長めに強く押さないと電源が入らない事があります。
引用元:AEDブログ
http://aed-blog.com/way-to-start-aed
蓋を開けるもの
AEDの表面が蓋のようになっていて、その中に電極パッドがしまわれているタイプのAEDでは、蓋をあけることで電源が入るようになっている事が多いです。電源ボタンで電源を入れる、と思っているとボタンが見つからずパニックになる可能性がありますので気をつけて下さい。
電極パッドを取り出すためには蓋を開ける必要がありますから、その動作で電源が入るのは合理的な作りと考えることもできます。
引用元:AEDブログ
http://aed-blog.com/way-to-start-aed
AEDを起動するためには、電源ボタンを押すか、蓋をあけるか。主にこの2パターンがあることを覚えておけば、イザという時に電源ボタンが無いと焦ったり、開ける蓋が無いと焦ったりしなくてすむのじゃ。
違い②:電極パッド
殆どの場合、電極パッドは2枚に分かれていて、それを右胸の上側と左脇腹に貼るのが普通です。ただし、日本で販売されているAEDで、1つだけ電極パッドが1つに繋がっているものがありますので、覚えておいて下さい。
2つに分かれた電極パッド(通常)
一般的な電極パッドは2枚に分かれていて、左肩と右脇腹に1枚づつ貼ります。
一体型の電極パッド
ZollのAED Plusの電極パッドは一体型になっていて、電極パッドが繋がっています。一体型のパッドの中心には加速度センサーがついていて、胸骨圧迫の深さを感知し、適切な深さで胸骨圧迫できているかどうかをアナウンスで教えてくれる仕組みになっています。
引用元:旭化成ゾールメディカルHP
https://www.ak-zoll.com/general/05.html
Zollのこの機種を除けば、他のAEDは2枚の電極パッドを貼るタイプじゃ。ただし必ずそうだと思っていると1体型のパッドが出てきた時に驚いてどうしてよいかわからなくなってしまう可能性がある。イザという時にパニックにならないよう、1体型のものもあることを頭の片隅にでも置いておいておくれ。
へー!こんな電極パッドもあるんですねー。覚えておきます!
胸骨圧迫の重要性
そしてもう一つ、重要な事があるので覚えておいてほしい。AEDを使う時に忘れてはいけないのが胸骨圧迫じゃ。
今では胸骨圧迫と呼ぶのが一般的だが、昔は心臓マッサージと呼ぶことが多かったので、そのままの呼び名で呼んでいるひともいるようじゃ。
胸骨圧迫は、止まった心臓のかわりに血液を循環させるために、人為的に胸を圧迫する救命行為じゃ。
胸骨圧迫、知ってますよ!教習所でやりました。人体模型で練習しましたよ。
お。きちんと覚えておったか。さすがじゃな。
そうなんじゃ。AEDと胸骨圧迫は1セットの救命行為じゃ。AEDの講習をする時には、AEDの使用と一緒に胸骨圧迫の実習もするのが一般的じゃ。
AEDと平行して、適切な胸骨圧迫ができるかどうかで救命できるかどうかが大きく変わってくると言われておる。
心臓が止まった状態では血液が体内を流れないから、生命の維持に必要な酸素等が体内に届かないんじゃ。
胸骨圧迫によって血液を循環させることで、それによるダメージを軽減するのじゃ。
胸骨圧迫、とても重要なんですね。
そうじゃ。AEDを使うと、電気ショックの合間に「胸骨圧迫をしてください」、という内容のメッセージや、胸骨圧迫のリズムを教えるリズム音が流れる。それに従って胸骨圧迫をするのじゃ。
AEDが胸骨圧迫についてもアナウンスしてくれるなら安心ですね。
その通りじゃ。具体的には、胸骨圧迫は下の図のように行う。手の付け根の部分で、胸の中心を圧迫するのじゃ。
引用元:AEDブログ
http://aed-blog.com/bls-cpr-aed2015
胸骨圧迫の研究も進んできており、胸骨圧迫の効果を最大限に発揮できるよう胸骨圧迫の仕方の基準が作られてきておる。下に胸骨圧迫のときの注意点をまとめたから、参考にしてみてほしい。
胸骨圧迫のポイント
- 押す深さ:胸が約5cm沈むように圧迫し、6cmを超えない(小児や乳児は、胸の約3分の1の深さ)
- 押すテンポ:一分間に100回~120回(小児や乳児も同じテンポ)
- 解除(除圧):毎回、圧迫したらしっかりと(完全に)胸を元の位置に戻す。ただし、押す深さが浅くならないように注意する。
- 絶え間なく:AEDを使う際や人工呼吸の際など胸骨圧迫を中断する時間が生じるが、中断は最小限にする(10秒以下)。心肺蘇生を行っている時間の6割は胸骨圧迫の時間となるようにする。
- 確認し合う:しっかりと押せているか、テンポが遅くなったり早くなったりしていないか確認する。バイスタンダーが複数人いれば、お互いに注意し合い確認する。
- 交代する:胸骨圧迫の質(深さやリズムなど)を低下させないために、複数人いる場合にはバイスタンダー同士で胸骨圧迫を1~2分ごとに交代しながら行う。
注意点が結構沢山ありますね!深さが5cm~6cmとか、結構細かく決まっているんですね。
そのとおりじゃ。胸骨圧迫のテンポについてはAEDからでるリズム音にあわせる事で適切な速さに調節することができるが、深さを5cm~6cmにするというのはなかなか難しい。胸骨圧迫を教えてくれる教習等にいって練習して、深さの感覚をつかんでおければベストじゃ。
そうですね。これは練習が必要そうですね。イザという時のために、AEDの講習も探してみようと思います。
ヤギ先生、今日もありがとうございました!